歯科医院が集患するためのGoogle MEO対策まとめ

歯科医院がオンライン上で集患するには、SNSやWebサイトのSEO対策などがあげられます。そのほかの集患方法として今注目されているのがMEO対策です。MEO対策は、地域性の高いビジネスである歯科医院と非常に親和性が高いため、問い合わせや集客に有効な手段といえます。しかし、確実に効果を出していくには正しくMEO対策を行う必要があります。この記事では、オンラインを通じて効率的に集患を高めたい事業者のためのMEO対策とはなにか、歯科医院がMEO対策を行うメリットや注意点などをご紹介します。

MEOとはMap Engine Optimizationの略称で、マップ検索エンジン最適化と呼ばれています。MEO対策とは、GoogleマップやGoogleローカル検索での検索結果で上位表示させることで、歯科医院の認知を高めて来院につなげるための取り組みです。よく聞かれるGoogleローカル検索とは、Google上で「ロケーション＋目的」を検索した際に表示される検索結果のことを指します。

 

MEO対策は、しばしばSEO対策と混同されがちですが、SEO対策は検索エンジンの最適化を指しWebサイトを上位表示させるための施策のことを意味します。SEO対策の最終目標はWebサイトへの流入ですが、これに対してMEO対策は地図検索エンジンに特化して最適化を行うもので、Googleビジネスプロフィール通じてGoogleマップやGoogleローカル検索で上位表示をさせるための対策になります。

 

MEO対策の最終目標は、新患の歯科医院への問い合わせや来訪となります。Google検索の結果は、ローカル検索であるMEO枠とSEO枠に分かれて表示されます。MEO枠は、画面の最上位に表示されるためSEO枠よりもユーザーの目に留まりやすいという特徴があります。しかしMEO枠に表示されるビジネスプロフィールは上から3つだけというルールがあります。上位３位以内に自身の歯科医院が入るためには、MEO対策が必須となります。歯科医院のように実店舗を構えてビジネスを展開している事業者の方は、MEO対策は抑えておくべき施策といえるでしょう。

歯科医院がMEO対策を行う1番のメリットは、歯科医院への来院の意志の高い潜在的なユーザーに直接アプローチできる点でしょう。「ロケーション+目的」で検索するユーザーは、すぐに目的地に向かいたい、あるいは来訪の意志が高いとされています。WebサイトやSNSにアクセスしなくても、Google検索結果の画面で歯科医院の住所や開院時間などの情報を閲覧することができるため、ユーザーに歯科医院の基本的な情報を一括して届けられるメリットもあります。

 

GoogleビジネスプロフィールはMEO枠に分類され、一般的なWebサイトであるSEO枠よりも上部に表示されます。このためGoogleビジネスプロフィールは、よりユーザーの目に触れやすいため高い集客力が期待できます。MEO対策をしっかり行い、Googleに評価された歯科医院が上位表示されるため、決して歯科医院の規模や立地条件の良い歯科医院が上位に表示されるとは限りません。飲食店や美容院などの業界と比較すると、MEO対策を行っていない歯科医院がまだまだ多いのが現状で、逆にいえば新規開院したばかりで競合に比べ知名度の低い歯科医院や立地条件がよいといえない歯科医院でも、MEO対策を万全に施せばしっかりと集患を狙っていけるといえるでしょう。

 

MEO対策は、SEO対策を行うよりも短期間で効果が期待できる点もメリットとしてあげられます。SEO対策は検索上位表示されるようになるまで、半年～1年程度の期間が必要になるケースが多いです。これは、新規に立ち上げたWebサイトがコンテンツを充実させるまでに時間を要すること、またGoogleからほかの競合サイトと比べ優れていると判断されるのに時間を要するためです。

 

一方MEO対策は早ければ数週間程度、長くても数ヶ月程度で効果が出てくるとされています。そのほかにもMEO対策は費用対効果が高く、たとえば代行業者にSEO対策を依頼した場合、高いと月額数十万程度掛かるのに対しMEO対策だと月額数万円程度で依頼することができます。そのため、リスティング広告に掛かる費用よりも安価に抑えることも可能なのです。

歯科医院がMEO対策を行うポイントとしてはじめに行うべきことは、Googleビジネスプロフィール情報を充実させることです。アカウントを登録しただけでは、Googleビジネスプロフィールを上位表示させることは至難の業といえるでしょう。院名や住所、電話番号等の歯科医院の基本情報はもちろん、商品登録や説明文、新着投稿の項目も含め全ての情報を登録し内容を充実させることがポイントです。これらの情報をすべて記載することで、Googleからの評価が上がり上位表示されやすくなります。登録情報の完成度はGoogleビジネスプロフィールの管理画面に「リスティングの完成」という項目で可視化されるので、表示が100％になるように情報を埋めていきましょう。

 

歯科医院のWebサイトを持っておりかつ予約ページがある場合は、ビジネスプロフィールと歯科医院の予約ページを連携させることが可能です。予約ページを持っていない場合でも、Googleフォームを使ってビジネスプロフィールから歯科医院の予約ができる仕組みを作ることができます。

 

地域名とキーワードの選出も押さえておきたいポイントです。ユーザーは「地域名+歯科医院」のように検索をかけて歯科医院を探している可能性が高いため、最寄り駅や市町村などといったどの地域名を検索キーワードにするか選定していきます。地域の範囲を選定するのに役立つのがGoogleビジネスプロフィールのインサイト情報にある「ルートのリクエスト」です。ルートのリクエストは、ユーザーがどの地域からご自身の歯科医院を検索したのかが一覧になって表示されているので、この情報をもとに地域を決定しましょう。

 

次に、検索ワードを選定していきます。例えばホワイトニングに力を入れている、審美歯科も行っている、仕事帰りの患者も通えるように夜も開いているなど、自身の歯科医院の特徴や強み、歯科医院でのサービス内容を４～８個程度洗い出しましょう。そして「渋谷　歯科医院　ホワイトニング」のように選定した地域名と洗い出したキーワードの組み合わせの検索ボリュームを調べていきます。検索ボリュームを調べるにはGoogleキーワードプランナーを使うのが便利です。選定したキーワードはGoogleビジネスプロフィールの説明欄に盛り込んでいきます。

 

「商品・サービス」欄には、歯科医院での診療内容を記載していきましょう。診療内容に付随して料金や内容も記載しておくとよりユーザーに訴求できます。また歯科医院の写真を積極的にアップロードするのもMEO対策のポイントとなります。Googleビジネスプロフィールの写真は、第三者が投稿したものも含めてランダムに表示されますが、ビジネスオーナーの提供する写真が表示される確率が高いとされています。そのため、歯科医院の写真は最低でも20枚は投稿しましょう。

 

まず、歯科医院の外観写真は必須です。ユーザーが歯科医院を見つけやすくなるよう建物全体を撮影しましょう。患者が来ると想定されるすべての方向から外観写真をいくつか掲載しておくとよいでしょう。また内装についても院内の雰囲気がわかるように部屋全体を撮影してください。待合室の様子や診療室、子ども用のスペースがあれば子連れの患者にもアプローチできます。

 

写真ファイルの拡張子は、JPEGかPNG、10KB以上5MB以下、画像サイズはそれぞれ720ピクセル程度、ピントがあっていて十分な明るさがあるもので、大幅な加工は行わずありのままの雰囲気が伝わる写真を選定しましょう。写真はビジネスオーナーだけでなく第三者も投稿できる仕様になっています。第三者によって投稿された写真がユーザーに打ち出したいイメージと異なる写真の場合はGoogleに削除要請をすることができます。

 

最後にご紹介するMEO対策のポイントは、歯科医院の口コミを増やすことです。口コミ欄はコメントを寄せてくれた患者とのコミュニケーションの場でもあるのと同時に、MEO対策の観点では「視認性の高さ」を測る評価項目の場でもあります。口コミはポジティブな内容、ネガティブな内容に関わらず、すべてに返信しましょう。また口コミはできるだけ具体的に書いてもらうことがポイントです。歯科医院の受付に口コミ投稿ページに遷移できるQRコードを添付したポップやチラシを置いておくと、患者が口コミ投稿ページにアクセスしやすい導線づくりができます。

 

まず情報の更新はこまめに行うことが大切です。最新の投稿が数年前のものであったり、開院時間に変更があっても基本情報が更新されていなかったりすると、ユーザーに正確な情報を届けられずGoogleからの評価も得られません。基本情報に変更がある場合は、迅速にGoogleビジネスプロフィールの修正を行いましょう。

 

情報を登録する際には歯科医院のNAP情報を一致させることを意識しましょう。NAP情報とはName(名前)、Address(住所)、Phone(電話番号)を意味します。Googleが検索順位を決定するための評価項目のひとつに「視認性の高さ」があげられます。視認性の高さはサイテーションと呼ばれ、ほかのWebサイトでどれだけ引用されているかで評価されるといわれています。ビジネスプロフィールとポータルサイトや自院のWebサイトでのNAP情報を統一させることで、Googleは同一の歯科医院と認識し評価を行います。Googleに同一の歯科医院だと認識させるためには、住所や電話番号の数字の全角や半角、ハイフンの有無の表記を統一させる必要があるので注意しましょう。

 

次に投稿欄を活用してこまめに情報発信をしていきましょう。こまめに投稿を行うのは根気の必要な作業ですが、投稿はWebサイトに掲載しているコラムのリンクを貼ることも可能です。何を投稿しようか悩まれる事業者さまも多いと思いますが、たとえば年末年始や大型連休の際の営業時間のお知らせを投稿するのも大事な情報共有です。ユーザーは些細な情報も参考にしているので、こまめに更新するようにしましょう。

 

最後に口コミを依頼する際に、口コミを投稿したことの見返りとして報酬を与える行為は、Googleのガイドラインで固く禁止されていますので注意しましょう。自作自演で口コミを投稿することも当然禁止されています。最悪の場合、ご自身の歯科医院のビジネスプロフィールが表示されなくなるなどのペナルティを負う恐れがあります。

 

細かいところまでMEO対策を行っている歯科医院はまだまだ少ないため、地域の競合と差別化できる可能性は十分にあります。歯科医院のMEO対策方法の基本は、Googleビジネスプロフィールの登録情報はすべて記入し、歯科医院の外観や内部の様子がイメージできる写真を投稿するのが大切です。患者に口コミ投稿の依頼を行うのも有効な方法ですが、口コミ投稿の報酬を与える行為はGoogleで禁止されているので注意が必要です。効果的なMEO対策を行い、歯科医院の集患を向上させましょう。